【施工図マニュアル 基礎編03】レイヤーの決め方と整理のルール

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こんにちは!ぜんりょう設備企画です。

第3回は「レイヤー」です。レイヤーの整理ができていると、図面が見やすくなるだけでなく、修正・確認・他工事との調整のスピードも大きく変わります。具体的な分け方と、整理の手順を解説します。

社員
レイヤーって、とりあえず1つにまとめて描いてもいいですか?
前田
前田
1つにまとめると、あとで直すときに大変なんだ。系統ごとに分けておくと、見たい情報だけ表示できるよ。

建築・空調・衛生をレイヤーで分けると、見たい情報だけ表示できる!

この作業の目的

建築・空調・衛生などの情報をレイヤーで分けて整理し、「必要な情報だけを表示する」「色や線の太さをまとめて変える」「他工事の図面と重ねて確認する」ことができる状態にするのが目的です。

レイヤーを分ける基本の考え方

分類レイヤーの例ポイント
建築(下図)壁・柱・建具・通り芯・部屋名・天井高さ作図中は薄い色・細線で表示する
構造梁・スラブ段差・開口梁は設備のルート検討に必須なので見やすい色で
空調給気(SA)・還気(RA)・排気(EA)・外気(OA)ダクト、冷媒管、ドレン管系統ごとに分けると確認・修正がしやすい
衛生給水・給湯・排水・通気・消火用途ごとに色と線種を分ける
注記寸法・管径・高さ・引出線・文字図面種類ごとにまとめ、印刷時の見え方を調整

※レイヤー名や色は一例です。現場や会社のルールがある場合は、必ずそちらに合わせます。

整理の手順

FLOW / レイヤー整理の手順

STEP 1
ルールの確認
STEP 2
建築レイヤーの整理
STEP 3
設備レイヤーの作成
STEP 4
色・線種・線幅の設定
STEP 5
表示状態の保存
STEP 1現場・社内のルールを確認する

目的:提出先や社内で、同じルールの図面をつくる。

やること

元請けや現場から、レイヤー名・色・線種の指定がないかを確認する
指定がない場合は、社内の標準ルールを使う
指定のテンプレートやサンプル図面がある場合は、最初に入手しておく

現場のコツ:途中でルールの指定が分かると、全レイヤーの付け替えが必要になります。必ず作図前に確認しましょう。

社員
いらない建築の線は、消しちゃっていいですよね?
前田
前田
消さずに「非表示」がおすすめ。設計図の更新版が来たときも、同じ状態で使えるからね。
STEP 2建築レイヤーを整理する

目的:建築図を、設備を描くための見やすい下図にする。

やること

不要な表記(家具・建具記号・寸法など)のレイヤーを「非表示」にする(削除はしない)
残す情報(壁・柱・通り芯・部屋名)は、薄いグレーなど目立たない色に変える
構造の梁は、設備のルート検討で使うため、少し目立つ色で表示する

現場のコツ:削除せず非表示にしておけば、設計図の更新版を読み込んだときも同じ状態で使えます。

注意:建築レイヤーを削除すると、更新版との差し替えで手間が増え、必要な情報を消してしまうこともあります。

STEP 3設備レイヤーを作成する

目的:系統ごとに分けて描けるようにする。

やること

空調・衛生それぞれで、系統(給気・排気・給水・排水など)ごとにレイヤーを作る
配管・ダクトの本体、機器、寸法・文字などの注記を、別のレイヤーに分ける
新しい系統が出てきたら、その都度ルールに沿ってレイヤーを追加する

現場のコツ:「本体」と「注記」を分けておくと、文字だけを消して配管ルートを確認するなど、見たい情報だけを表示できます。

社員
色分けしておけば、見分けはバッチリですよね?
前田
前田
現場では白黒コピーで使うことも多いんだ。線種や太さでも区別できるようにしておこう。
STEP 4色・線種・線幅を設定する

目的:画面でも印刷でも、系統の区別がつくようにする。

やること

系統ごとに色を決める(例:給水は青系、排水は茶・黄系など、社内ルールに合わせる)
白黒で印刷しても区別がつくように、線種(実線・破線など)や線幅も使い分ける
建築の下図は細く・薄く、設備の本体は太くはっきり表示する

現場のコツ:カラーで作図しても、現場では白黒コピーで使われることがあります。白黒で印刷して見分けがつくかを一度確認しましょう。

STEP 5表示状態を保存する

目的:作業の目的に合わせて、すぐに表示を切り替えられるようにする。

やること

「空調だけ」「衛生だけ」「全体」など、よく使う表示の組み合わせを保存する
提出用の表示状態と、作業用の表示状態を分けておく
作業後は、提出用の表示状態に戻してから保存する

現場のコツ:表示の切り替えが速くなると、他工事との重ね合わせや、自分の図面のチェックが格段に楽になります。

よくあるミス

よくあるミス

●すべてを1つのレイヤーで描く

●建築レイヤーを削除してしまう

●人によってレイヤー名がバラバラ

●カラーでしか区別できない

防ぐための習慣

●系統・本体・注記ごとにレイヤーを分ける

●建築は非表示で管理する

●チームでレイヤーのルールを共有する

●白黒印刷でも区別できるようにする

この回のまとめチェック
現場・社内のレイヤールールを確認した
建築レイヤーは削除せず非表示で整理している
設備は系統ごと、本体と注記を分けている
白黒印刷でも系統が区別できる
よく使う表示状態を保存している
社員
レイヤーが整理できていると、自分も見やすいですね!
前田
前田
受け取る人も見やすくなるんだ。次回は図面の縮尺と描き分けだよ!

まとめ

レイヤーの整理は、自分だけでなく、図面を受け取る人のためのものでもあります。次回は「図面の縮尺と描き分け」を解説します。

前田 遼佑

この記事を書いた人

前田 遼佑株式会社ぜんりょう設備企画 代表取締役

1級管工事施工管理技士

サブコンで施工管理に携わり、現場代理人として現場を担当。現場で「納まっていない図面」に苦労した経験から、2023年に独立し、同年5月に株式会社ぜんりょう設備企画を設立。施工管理の目線を活かし、空調衛生設備の設計図・施工図・BIMモデルの作成を手がけている。

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株式会社ぜんりょう設備企画は、大阪を拠点に、空調衛生設備の設計図・施工図・BIMモデル作成を一気通貫で手がけています。「現場に出る前」に納まりの問題解決を目指します。

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