【施工図マニュアル 基礎編06】総合図の見方と施工図との関係――他工事との取り合いを読み解く

施工図マニュアル基礎編 第6回|総合図の見方と施工図との関係シリーズ一覧へ →

こんにちは!ぜんりょう設備企画です。

第6回は、基礎編の最後として「総合図」を取り上げます。総合図は、照明・空調の吹出口・スプリンクラー・感知器・点検口など、天井や壁に付く設備をまとめて調整するための図面です。総合図の読み方と、施工図への反映の仕方を手順で解説します。

社員
総合図って、施工図と何が違うんですか?
前田
前田
総合図は、照明や吹出口など天井や壁に付くものを、みんなで調整する図面なんだ。そこで決まった位置に向かって、施工図で配管やダクトをつないでいくよ。

照明・吹出口・スプリンクラー…天井に付く器具を重ねて調整するのが総合図!

総合図とは?

総合図

●建築・電気・設備の要素を1枚に重ねた図面

●天井や壁に付く器具の位置を調整する

●関係者で合意した位置を共有する

設備の施工図

●総合図で決まった位置をもとに描く

●天井内の配管・ダクトのルートを決める

●施工に必要な寸法や高さを示す

総合図で器具の位置が決まり、その位置に向かって施工図で配管やダクトをつないでいく、という関係になります。総合図の位置が変われば施工図も変わるため、両者を常に一致させておくことが大切です。

総合図に載る主な器具

分類主な器具の例
空調・換気吹出口・吸込口・換気口・天井カセット形エアコン
衛生・消火スプリンクラーヘッド・点検口
電気照明器具・非常照明・誘導灯・感知器・スピーカー
建築天井の割付・点検口・カーテンボックス

総合図を読んで施工図へ反映する手順

FLOW / 総合図の読み方

STEP 1
凡例と版の確認
STEP 2
天井の割付を確認
STEP 3
設備器具の位置を確認
STEP 4
他工事との近接を確認
STEP 5
施工図への反映と照合
STEP 1凡例と版を確認する

目的:最新の総合図で、器具の種類を正しく読み取る。

やること

総合図の日付・版を確認し、最新のものかを確かめる
凡例で、器具の種類ごとの記号を確認する
前回の版から変わった箇所(雲マークなど)を確認する

現場のコツ:総合図は関係者の調整のたびに更新されます。版の確認を怠ると、古い器具位置のまま施工図を描いてしまいます。

社員
点検口があれば、点検はできますよね?
前田
前田
点検口の真上に梁やダクトがあると、開けても手が届かないんだ。天井の中もあわせて確認しよう。
STEP 2天井の割付を確認する

目的:器具がどこに、どの向きで付くのかを把握する。

やること

天井材の割付(目地の位置)と、器具の配置の基準を確認する
点検口の位置と大きさを確認し、点検に必要な設備(バルブ・ダンパーなど)がその近くにあるかを見る

現場のコツ:点検口の真上に梁やダクトがあると、点検口があっても点検できません。天井内の状況とあわせて確認しましょう。

STEP 3設備器具の位置を確認する

目的:自分が担当する器具の位置と数を把握する。

やること

吹出口・吸込口・スプリンクラーヘッドなど、設備の器具の位置と数を確認する
機器表や設計図と照らし合わせ、数や種類に食い違いがないかを確認する

現場のコツ:総合図と設計図で器具の数が違うことがあります。気づいたら、どちらが正しいかを質疑で確認しましょう。

社員
器具どうしが近いときは、どうすればいいですか?
前田
前田
離隔の基準は器具や地域で違うこともあるから、迷ったら担当者に確認。設備側から位置の調整を提案できると喜ばれるよ。
STEP 4他工事との近接を確認する

目的:器具どうしが近すぎて、施工や機能に支障が出ないようにする。

やること

照明・感知器・スプリンクラーヘッドと、吹出口が近すぎないかを確認する
器具の真上に、梁やほかの設備のダクトがないかを、施工図と重ねて確認する
問題がある場合は、器具の位置を調整する案をまとめる

現場のコツ:器具の離隔の基準は、器具の種類や法令、所轄の指導によって異なります。判断に迷うものは、担当者に確認しましょう。

STEP 5施工図に反映し、照合する

目的:総合図と施工図の位置を一致させる。

やること

総合図の器具位置に合わせて、配管・ダクトの接続位置を描く
提出前に、総合図と施工図を重ねて、器具の位置がずれていないかを確認する
位置の調整が必要な箇所は、設備側から早めに提案する

現場のコツ:設備側から「ここは天井内が混み合うので、器具をずらしたい」と早めに提案できると、全体の納まりがよくなります。

よくあるミス

よくあるミス

●総合図の更新を見落として古い位置で描く

●器具の位置だけ見て、天井内の取り合いを見ない

●総合図と施工図で位置がずれたまま提出する

●点検口と点検する設備の位置が離れている

防ぐための習慣

●総合図の版と更新内容を毎回確認する

●器具の真上の梁やダクトも同時に確認する

●提出前に総合図と施工図を重ねて照合する

●点検口の位置と天井内の設備をセットで確認する

この回のまとめチェック
最新の総合図で作業している
天井の割付と点検口の位置を確認した
設備器具の数と種類を設計図と照合した
他の器具・梁・ダクトとの近接を確認した
総合図と施工図を重ねて照合した
社員
基礎編で、施工図づくりの土台が見えてきました!
前田
前田
次からは、空調・衛生それぞれの描き方を具体的に見ていこう!

基礎編のまとめ

基礎編では、施工図づくりの全体の流れから、データの確認、レイヤー、縮尺、表記のルール、総合図まで、作図の土台となる考え方を紹介しました。次からは、空調設備・衛生設備それぞれの施工図の描き方を、より具体的に解説していきます。

前田 遼佑

この記事を書いた人

前田 遼佑株式会社ぜんりょう設備企画 代表取締役

1級管工事施工管理技士

サブコンで施工管理に携わり、現場代理人として現場を担当。現場で「納まっていない図面」に苦労した経験から、2023年に独立し、同年5月に株式会社ぜんりょう設備企画を設立。施工管理の目線を活かし、空調衛生設備の設計図・施工図・BIMモデルの作成を手がけている。

施工図・設計図・BIMモデル作成のご相談はお気軽に

株式会社ぜんりょう設備企画は、大阪を拠点に、空調衛生設備の設計図・施工図・BIMモデル作成を一気通貫で手がけています。「現場に出る前」に納まりの問題解決を目指します。

お問い合わせ事業内容を見る