【施工図マニュアル 基礎編04】図面の縮尺と描き分け――平面図・詳細図・断面図の使い分け

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こんにちは!ぜんりょう設備企画です。

第4回は「縮尺」です。施工図は、平面図・詳細図・断面図など、目的に応じて縮尺を変えて描き分けます。どの図面をどの縮尺で描き、文字や寸法をどう設定するかを、手順で解説します。

社員
全部の図面を同じ縮尺で描いたほうが、楽じゃないですか?
前田
前田
伝えたいことによって、ちょうどいい縮尺は変わるんだ。細かい納まりは、詳細図で大きく描いたほうが伝わるよ。

全体は1/100、細かい納まりは1/30。目的で縮尺を使い分ける!

この記事のねらい

縮尺は、「その図面で何を伝えたいか」で決まります。全体のルートを伝えたいのか、細かな納まりを伝えたいのかによって、必要な縮尺は変わります。

縮尺の目安

図面の種類縮尺の目安主に伝えること
平面図1/50〜1/100各階の配管・ダクトのルートと位置
詳細図(PS・DS・便所など)1/20〜1/30狭い範囲の細かな納まり
機械室・ポンプ室1/30〜1/50機器・配管の配置と保守スペース
断面図1/20〜1/50天井内の高さ関係と取り合い

※縮尺はあくまで一般的な目安です。実際は現場の指定や建物の規模、用紙サイズに合わせて決めます。

文字の大きさの考え方

CADでは実寸で描き、印刷するときに縮小します。そのため、紙の上で同じ大きさの文字にするには、縮尺に合わせてCAD上の文字の大きさを変える必要があります。

縮尺紙の上での文字の大きさCAD上の文字の大きさ(目安)
1/1003mm300mm
1/503mm150mm
1/303mm90mm
1/203mm60mm

※計算式:CAD上の文字の大きさ = 紙の上での文字の大きさ × 縮尺の分母。紙の上での大きさは、現場や社内のルールに合わせます。

描き分けの手順

FLOW / 縮尺を決める手順

STEP 1
伝えたい内容を決める
STEP 2
現場の指定・用紙を確認
STEP 3
縮尺を決める
STEP 4
文字・寸法の設定
STEP 5
印刷して確認
STEP 1伝えたい内容を決める

目的:図面の目的をはっきりさせ、適切な縮尺を選ぶ。

やること

その図面を誰が、何のために使うのかを考える(全体のルート確認か、細部の施工か)
平面図で表現しきれない部分(PS・便所・機械室など)を洗い出し、詳細図に切り出す範囲を決める

現場のコツ:「平面図に寸法や文字が入りきらない」と感じたら、詳細図を描くサインです。

STEP 2現場の指定・用紙サイズを確認する

目的:提出先の決まりに合わせる。

やること

現場から、図面の縮尺や用紙サイズ(A1・A3など)の指定がないかを確認する
A1で作図してA3に縮小して使う場合は、縮小後でも文字が読める大きさかを考える

現場のコツ:現場ではA3縮小版がよく使われます。A3にしたときの見え方を基準に、文字の大きさを決めておくと安心です。

社員
縮尺を変えたら、文字の大きさも変わるんですか?
前田
前田
そう。CADは実寸で描くから、印刷したときに同じ大きさになるよう、縮尺に合わせて文字の大きさを変えるんだ。
STEP 3文字・寸法の設定をそろえる

目的:縮尺が違っても、紙の上で同じ大きさに見えるようにする。

やること

縮尺ごとに文字の大きさを設定する(上の表を参考に)
寸法線の矢印や数字の大きさも、縮尺に合わせた寸法スタイルを使う
1枚の図面に複数の縮尺が混在する場合は、それぞれの範囲に縮尺を明記する

現場のコツ:縮尺ごとの文字・寸法スタイルをテンプレートにしておくと、毎回設定する手間が省けます。

社員
画面で拡大すれば、ちゃんと読めますよ!
前田
前田
現場ではA3に縮小して使うことも多いんだ。最後は実際の大きさで出力して確かめよう。
STEP 4印刷して見え方を確認する

目的:実際に使われる大きさで読みやすいかを確かめる。

やること

実際の用紙サイズでPDFや紙に出力して、文字・寸法が読めるかを確認する
線が込み入って見づらい箇所は、詳細図に切り出すか、表示する情報を整理する
図面枠の縮尺表記が、実際の縮尺と合っているかを確認する

現場のコツ:画面で拡大して見ていると、実際の大きさでの読みにくさに気づきません。最後は必ず出力して確認しましょう。

よくあるミス

よくあるミス

●平面図に細かな納まりを詰め込みすぎる

●縮尺を変えたのに文字の大きさがそのまま

●縮尺の表記が図面と合っていない

●A3縮小で文字が読めない

防ぐための習慣

●細部は詳細図に切り出して描く

●縮尺に合わせて文字・寸法の設定を変える

●図面枠の縮尺表記を最後に確認する

●使われる用紙サイズで出力して確認する

この回のまとめチェック
図面ごとに伝えたい内容を決めた
現場の縮尺・用紙サイズの指定を確認した
縮尺に合わせて文字・寸法を設定した
詳細図に切り出す範囲を決めた
実際の用紙サイズで読みやすさを確認した
社員
縮尺って、読む人への気配りなんですね。
前田
前田
そのとおり!次回は記号・線種・文字のルールを見ていこう。

まとめ

縮尺は、図面を読む人への気配りでもあります。次回は「記号・線種・文字の基本ルール」を解説します。

前田 遼佑

この記事を書いた人

前田 遼佑株式会社ぜんりょう設備企画 代表取締役

1級管工事施工管理技士

サブコンで施工管理に携わり、現場代理人として現場を担当。現場で「納まっていない図面」に苦労した経験から、2023年に独立し、同年5月に株式会社ぜんりょう設備企画を設立。施工管理の目線を活かし、空調衛生設備の設計図・施工図・BIMモデルの作成を手がけている。

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株式会社ぜんりょう設備企画は、大阪を拠点に、空調衛生設備の設計図・施工図・BIMモデル作成を一気通貫で手がけています。「現場に出る前」に納まりの問題解決を目指します。

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